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「東北地方太平洋沖地震」に関する弊社の思いと取り組みについて
平成23年3月15日
この度の「東北地方太平洋沖地震」被災者のみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
被災者のみなさま、被災地の様子を伝える映像やニュースを目にするたび、かつてない大地震に見舞われたこのような緊急時においても、気丈に現状に向き合い、周りの方々と支え合いながら、心をひとつにし、困難に立ち向かっていらっしゃる被災地の方々の姿に胸をうたれ、同じ日本に住まうものとして誇りに思い、「なにかお役に立てることをしたい」という強い思いで胸が熱くなります。
私たちは、創業100周年という節目の時期を間近に控え、「笑いを通じて心のインフラを作りだしていきたい」、「人と人とのつながりで日本を変えていきたい」という思いで動き出しておりました。このような中、この度の未曾有の災害を目の当たりにして、決して傍観者ではいられない思いでいっぱいになっております。
私たちにできることは、「お笑い」や「エンターテイメント」といわれる分野の仕事だけです。しかし、私たちは、普段であれば娯楽としか捉えられることのない「お笑い」や「エンターテイメント」で、一体、何ができるのか、今回の危機に直面して、あらためて真剣に考えました。
このような時期に、「お笑い」に何ができるのか、「お笑い」のイベントを行うこと自体が不謹慎だとお考えになる方がいらっしゃることは覚悟しております。しかし、「笑い」というものは、元来、人を思いやり、支え合うという気持から生まれるものであり、一人一人が誰かと「つながっている」こと、誰かが「そこにいてくれる」という実感を分かち合うことで伝わっていくものであり、それは、「生きていく意欲の交換」でもあると、私たちは信じています。
私たちは、これまでの100年も、これからの100年も、そうあり続けたいと願い、行動することを決意いたしました。今後も、これまで以上の思いをもって、メディア出演や公演などの活動を通して、みなさまに「笑い」と「心のつながり」を提供していきたいと考えております。
その第一歩として、3月18日より開幕予定の「第3回沖縄国際映画祭」については、被災者のみなさまへのチャリティーを大きな柱に据えた上で、予定通り実施します。同映画祭においては、被災地への募金活動をはじめとしたチャリティーを実施させていただきますが、一番の大きな目的は、被災地から遠く離れた沖縄の地から、被災者のみなさまのもとへ、地元沖縄のみなさまや国内外の出演者・関係者からの数多くの「心のつながり」と「エール」をお届けすることです。
公演やイベントの実施、特に、「沖縄国際映画祭」というような、お祭り的色彩の濃いイベントについては、開催を自粛するべきだというご批判が寄せられるかもしれません。社内でも様々な意見がありました。確かに、これまでの例に倣えば、このような事態にあたっては開催を自粛することがひとつの考えといえますし、企業である私たちにとっては、中止することが簡単な選択であるのかもしれません。
吉本興業の先人たちは、関東大震災や戦争などで傷ついた方々への救援のため、先頭を切って現地に飛び、困難に立ち向かう活力を支える様々な活動をしてまいりました。しかしながら、1995年に発生した阪神・淡路大震災の折には、私たちは、ただただ、劇場公演の中止、イベントの自粛、テレビ出演の自粛等をするのみで、あとは、所属タレントが個々にボランティア活動を行っているだけの、本当に無力な存在になってしまいました。私たちとしては、このような状況に忸怩たる思いを抱いておりました。今度こそ、「自粛する」ことではなく、「行動する」ことで、私たちなりに被災者のみなさまの力になりたいという気持ちでいっぱいです。
「笑い」のあるところには、必ず、希望が生まれます。
「こんなときにあほやな」「考えなしやな」と言われるかもしれませんが、わたしたちは、こんなときだからこそ、希望に光を当てていきたいと真剣に願っております。
私たちはみなさまの笑顔に育てられてきた「笑い」の会社です。
弊社グループ一同、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い被災地の復興をお祈りいたします。そのための一助となれることを、切に願っております。
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